An Approach To Relaxation / アン・アプローチ・トゥー・リラクゼーション SA / Barossa Valley

「An Approach To Relaxation / アン・アプローチ・トゥー・リラクゼーション」はカルラ&リチャード・RZA・ベッツ夫妻によって2014年に始まった南オーストラリア州バロッサヴァレーのワイナリー。アメリカ生まれの夫妻はそれぞれソムリエとして豊富な経歴をもち、特に夫のリチャードは2003年にマスター・ソムリエの試験をたった一回の挑戦でパス(史上9人目のことだそうです)、現在はワイン造りに携わりながらNYタイムス誌などに寄稿もする多彩な才能の持ち主。そんな彼らが日々世界中のワインたちと向き合いながら、自分たちが理想とするワインを自分たちの手で造り出すという夢を持つに至るのはそう不思議なことではありませんでした。個人的に愛するワインたち(その中でも重要な位置を占めたのがChateau Rayasだったとのこと)と自分たちの経験から、彼らが着目したのは「砂質土壌」。その土壌から産まれる洗練された気品に溢れ、かつ色気を備えたワインこそが自分たちが造りたいワインだという考えに行き着いたのです。


そこからスペイン・カリフォルニア・南仏・サルデーニャなど、世界のワイン産地を巡る旅が始まり、ついに彼らが辿り着いたのが南オーストリア州バロッサヴァレー・ヴァインヴェイル。2014年から友人を通してヴァインヴェイルのブドウを買うことでプロジェクトを始めていましたが、2017年のある日ふと「ビーチのように深い砂質」で、「樹齢140歳以上のグルナッシュ」が植えられた特別な畑に出会います。これこそが自分たちが探し求めていた畑と一目で確信を頂いた彼らはその場で畑の所有者に購入を申し出、3日後には契約書にサイン。RZAブロックと名付け、2017年から本格的に始動することになったのです(畑は現在オーガニックに転換中、一部周辺の畑からの買いブドウも含み、2017VTの年間生産量は1550箱)。


 ワイン造りにおいても彼らのソムリエとしての経験が存分に活かされており、出来上がったワインは見事な完成度を誇ります。「ワインは偉大な自然から産まれるものだけど、そこに人が介在しなければワインにはならない。問題はそこにどれだけ人が介入するか。私たちにとって理想的な砂質土壌に植えられた、世界的にも貴重な古木から採れるブドウは素晴らしい素材で、その魅力を失わないようにしたい。ワインとしてクリーンで安定した酒質を保つことは前提としたうえで、テロワールを尊重したいと思っています。ピノ・ノワールは世界中で愛されていますが、それは”Sexy””Smart””Seductive(魅惑的)といった要素を持ち合わせているから。適切にケアされたグルナッシュも実はこれらの要素を完璧に表現することが可能で、私たちの情熱はその挑戦にあります。」

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