Burn Cottage / バーン・コテージ NZ / Central Otago

世界最南端(南緯45度)のワイン産地であり、屈指のピノ・ノワール銘醸地であるNZ南島セントラル・オタゴに、Burn Cottage / バーン・コテージが誕生したのは2002年(設立は2003年)。ピサ・レンジに広がる24haの牧草地と、創業者Marquis Sauvage / マルキス・ソヴァージュとの出会いが全ての始まりでした。アメリカで農業を営むソヴァージュ一族(ドイツ・ファルツのケーラー・ルプレヒトも所有しています)に生まれ、ワインへの強い興味からファインワインの輸入卸事業を興し世界中の偉大なブドウ畑を訪れていたマルキス。いつか自分たちでワイナリーを興したいと考えてはいましたが、当時夫婦でNZを訪れた際に出会った、周囲を大きな丘に囲まれ南北からの風に守られた擂り鉢状で、まるで現代のコロセウムのような土地を見るなり「“ここ”だ」と直感。以前から周囲に畑もなく、多くのワイン関係者がその特異なロケーションから目をつけていた土地を幸運にも手に入れることができたのです。


そして「真に優れたワインはフルーツではなく、ブドウの樹を育む土地からこそ生まれる」ことを良く理解していたマルキスがすぐにコンタクトをとったのが、カリフォルニア・ソノマ Littorai Wines / リットライのオーナーワインメーカー、Ted Lemon / テッド・レモンでした。テッドはフランス ディジョン大学を卒業し、デュジャック - ジョルジュ・ルーミエ – ブリュノ・クレール – ギィ・ルーロといった目もくらむような造り手で経験を積み、北半球のみならず南半球におけるワイン造りにも精通。さらにカリフォルニアでも特に敬虔なバイオダイナミック(ビオディナミ)農法の実践者として知られていました。(マルキスは当時知りませんでしたが)既にセントラル・オタゴと深いつながりがあったテッドはバーン・コテージの土地を見るなりプロジェクトへの参加を即断。農薬を用いた近代的な栽培手法に見切りをつけていたテッドは、バーン・コテージの土地が持つポテンシャルを最大限に表現するために設立当初からのバイオダイナミック農法の導入を提言します。ワールドクラスの栽培・醸造知識を持つ彼により、バーン・コテージの畑は斜面・向き・土壌によって植えるクローン・苗木が細かく決められ、一貫したコンセプトを持ちつつ区画ごとの多様性を重視したものとなっていきました。テッドは設立からのコンサルタントとして現在に至るまでバーン・コテージのワイン造りの根幹を担っています。


半大陸性気候で極端に少ない降水量(年間300mm以下)かつ昼夜の寒暖差の激しい畑から収穫されたブドウは房単位・粒単位と2度の選別を経て醸造へ。ワイン造りに通底するのはminimal intervention / 最低限の人的介入アプローチ。そして醸造面で実務を担当するのはClaire Mulholland / クレア・マルホーランド(NZのリッポン – ギブストン・ヴァレーに加え、ブルゴーニュのドメーヌ・ラルロ – デュジャックなどでも経験を積みマーティンボロ・ヴィンヤードで醸造長を務めたオタゴ生まれの女性醸造家)。酸化防止剤の使用を最小限に留め、不必要な添加物を使用せず、培養酵母や酵素なども使いません。フィルタリングや澱引き作業もできる限り避け、月と天体のリズムに沿って作業は行われます。区画ごとに収穫されたブドウは別々に醸造され、ヴィンテージによって全房比率が決められます。新樽の使用は20-30%に抑えられ、エレヴァージュの期間は約11カ月。細心の注意を払ってテイスティングが重ねられボトリングされます。


これら全てを経てようやくリリースされるワインはその「土地」「気候」「土壌」、そしてバーン・コテージに携わる「人」の情熱とその労力を雄弁に語ってくれるでしょう。何千年もの間培われた人類によるワイン造りの知識へのリスペクトと、テロワールへの謙虚かつ献身的な姿勢こそが、優美で奥深いバーン・コテージのピノ・ノワールを造り上げるのです。

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