Rock Ferry / ロック・フェリー NZ / Marlborough
Rock Ferry / ロック・フェリーは、ニュージーランド南島マールボロに立ち上げられた家族経営の小さなワイナリー。マールボロおよびセントラル・オタゴにある自社畑は全て約20年に亘り有機栽培で管理(BioGro認証)されています。NZの自然環境と調和することでブドウに備わるテロワールを尊重する彼らからは、フレッシュで爽やかな味わいのワインから熟成を見越した複雑な単一畑のキュヴェ、さらには長期瓶内熟成期間を経てリリースされるスパークリングワインまで、それぞれの信念に基づいた多様なワインがリリースされています。
ロック・フェリーはマールボロにおける有機栽培の先駆者のひとりであるTom Hutchison /トム・ハッチソンによって設立されました。トムは、ウェリントンで過ごした学生時代にワインと出会い、その魅力に引き込まれました。やがて世界各地のワイン産地を巡る旅に出かけ、偉大な造り手たちとの出会いを通じて、「素晴らしいワインは、素晴らしいブドウの樹から始まる」という普遍的な真理を実感します。造り手としての道を志しアメリカへ渡った彼は大学でブドウ栽培を学び、帰国後1994年マールボロに畑を購入、2005年には念願の自身のワイナリー“ロック・フェリー”を設立し、翌年には長年の構想だった有機栽培への挑戦に踏み切りました。設立にあたり、世界各地で経験を積み瓶内二次製法にも精通していた醸造家であり友人でもあったAllan McWilliams / アラン・マクウィリアムズを醸造責任者として招聘。さらに2020年にはNZの最優秀若手醸造家受賞歴のあるJordan Hogg / ジョーダン・ホッグ(Atípico オーナー)も醸造家としてチームに加わっており、才気溢れる若手醸造家の革新的なスタイルも取り込みながら進化を続けています。
ロック・フェリーのワインはワイナリーを構えるマールボロとセントラル・オタゴに保有する4つの自社畑からうまれ、その全ての畑で有機認証を取得(BioGro)しています。醸造面においては基本的にはテクスチャーと複雑味を与えるための野生酵母をメインに採用しつつ、白ワインはフレッシュな果実感を活かすために培養酵母を併用、長期の熟成にも耐え且つ安定性をもたらすための最低限の亜硫酸の添加など、品種や熟成、目指すワインのスタイルに応じた合理的且つ適切なアプローチがとられます。
彼らが「僕たちの目的はニュージーランドの雄大な自然のもとで育つブドウに宿る個性をワインの中に表現するということ。そのために有機栽培に取り組むことは当たり前の選択だったんだ。ここは小さなワイナリーだからこそ様々な品種やプロセスに挑戦することができたし、先入観に囚われずそれぞれのワインにとってベストな方法を選択することができているんだ」と語るように、それぞれのコンセプトに合った多様なアプローチが採用されています。しかしその根底にあるものは「素晴らしいワインは素晴らしいブドウの樹からはじまる」という実にシンプルな理念なのです。