Mélange / メランジュ NZ / Marlborough
Mélange / メランジュ(“混ぜる”を意味する仏語)はニュージーランド南島マールボロに2018年誕生した極少量生産のマイクロ・ネゴシアン。立ち上げたのは若き醸造家Harrison Eaton / ハリソン・イートン(1996年生まれ)。マールボロのワイナリー「Eaton Wines」の2代目であり、文字通りブドウとワインに囲まれて育った男です。現在もEaton Winesの当主を務め、ハリソンの父親でもあるMike Eatonはその豊富な経験を活かしNZ国内に1500ha以上にも及ぶ畑のコンサルタントを務めており、優れた栽培農家との貴重なコネクションを有しています。メランジュの原料となるブドウはそれらの中から厳選されたものであり、マールボロ産の買いブドウから造られます。
ハリソン自身は大学でワイン造りを学んだ経験は一切ないものの、その必要性を感じたことがなかったと語ります。小さい頃から両親が所有する畑と醸造所で育ち、時間を見つけてはその仕事を手伝っていました。その頃にはすでに醸造家になることを心に決めており、高校を卒業した後すぐに畑で働き始めています。メランジュを立ち上げるまでの間には他のワイナリーで経験を積む一方、ワイン小売業のコンサルタントとしての仕事にも携わってきました。そうした歩みからも彼は生まれてから現在に至るまで常に現場でワイン造りを学び続けてきたと言えるでしょう。
メランジュのワインは有機栽培されたブドウのみを使用し、すべて野生酵母で醗酵され、少量の酸化防止剤(ワインによっては無添加)以外の添加物は用いない造りが一貫されています。さらに、コア・レンジと呼ばれるBlanc、Rougir、Du Champの3種のワインは、現在すべてビオディナミ農法の畑で育てられたブドウのみから造られています。
メランジュの始まりは、SBとPNをブレンドしたわずか95本のワインからでした。実験的な試みでしたが、その結果は非常に興味深いものでした。以降スキン・コンタクトの白ワインや混醸など、当時のマールボロではまだ一般的ではなかったアイデアにも積極的に取り組んできた彼のワインは、商業的なイメージが先行するマールボロにおいてそのイメージを覆す存在となっています。しかし何よりも大切にするのは、ナチュラルワインを造ることではなく、優れたブドウを育んだ土地や畑に敬意を払い、その魅力をありのままに表現したワインを造ることなのです。